2025年7月末、日米の経済イベントが市場を大きく揺さぶりました。
- 2025年7月31日 日銀金融政策決定会合
- 同日 米国金融政策決定会合(FOMC)
- 2025年8月1日 米国雇用統計
- 同日 トランプ氏、統計局長の解雇を宣言
………投資家の我々にはかなり刺激の強い週末でしたね!
一方でこれらは、景気後退のリスクが迫る中、投資家にとって重要なシグナルです。
このブログでは数字の背景をわかりやすく解説し、市場の今後を読み解きます。
日銀の金融政策(7月31日):金利据え置きの慎重な理由
日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%に据え置きました。
4会合連続の現状維持で、コンセンサス通りです。
植田和夫総裁は会見で、米国の関税政策について「高い関税は確定的だが、どこまで影響するかは不透明。一気に霧が晴れることはない」と述べました。
これは、関税が輸入コストを押し上げ、物価上昇(コストプッシュインフレ)を引き起こす一方、企業の収益や賃上げ意欲を抑え、経済成長を鈍化させるリスクを意識した発言です。
日銀の見通しでは「今年の後半には国内経済は減速すると見ていて、追加の地上げに向けた判断は一段と難しくなる」とコメントされています。
NHKニュース 2025.08.01
また、日銀の「展望レポート」では、2025年度の実質GDP成長率を0.5%から0.6%に微修正。
この0.1%の上方修正は、企業の業況感が底堅いことを反映していますが、急激な回復を意味するものではありません。
物価(コアCPI、生鮮食品除く)は2025年度2.2%→2.7%、2026年度1.7%→1.8%、2027年度1.9%→2.0%に上方修正。
普通物価が上昇すればそれを反映させたインフレ懸念から利上げを想定するシナリオですが、そもそもこの指標上昇の主因は、コメなど食料品価格の高騰による一時的な供給ショック。
植田総裁は「この物価上昇は基調的なインフレとは異なり、すぐに金融政策に影響しない」と強調。
【詳しく】日銀 金融政策を維持 植田総裁「一気に霧は晴れず」
NHKニュース 2025.07.31
FOMC(7月31日):利下げ見送りのタカ派姿勢
米連邦準備制度理事会(FRB)は、フェデラルファンド金利を4.25%~4.50%で5会合連続据え置きと発表しました。
声明では、経済活動が「堅調な拡大」から「緩やかな成長」に下方修正され、労働市場は「堅調」、インフレは「高止まり」と評価。
これは、関税による物価上昇圧力と労働市場の減速が共存する中、FRBがインフレ抑制を最優先にしていることを示します。
利下げを示唆する文言がなかったため、市場はタカ派(金利を高めに維持する姿勢)と受け止めました。
Reuters(ロイター) 2025.07.31
パウエル議長は、関税の影響が一部商品価格に表れているが、経済全体への波及は未確定と指摘。
一時的なインフレ上昇が「ベースシナリオ」としつつ、長期化リスクを注視しているようです。
9月の利下げは「経済指標次第」とし、特に非農業部門雇用者数や失業率が重要と強調しました。
総じて、FRBはインフレ再加速を防ぐため、拙速な利下げを避けたい立場です。
トランプ大統領にはその姿勢が嫌われていますけどね…
というのも、米国政府の債務問題が重圧を加えてるんです。
実は、米国政府は巨額の借金(国債)を抱え、2025年8月~9月に「債務上限」(借金の限界)に達する可能性があるとされています。
このまま金利の高止まりが続けば、政府の資金が足りなくなり、国債の返還が遅れる債務不履行(デフォルト)リスクがあります。
こうした背景からも、トランプ氏が利下げを強く要求していることがわかりますね。
米財務省、早ければ8月にも支払い不能に陥るリスク-議会予算局
Bloomberg 2025.03.27
米国雇用統計(7月分):雇用の急減速と修正の衝撃
続けて8月1日には、7月分の米国国雇用統計の結果が発表されました。
なんと市場予想を大きく下周り、景気後退懸念がより一層高まる結果となりました。
- 非農業部門雇用者数(前月比) 予想:10.8万人 結果:7.3万人
みんかぶFX・為替 2025.08.01
さらに、今回は5月分と6月分の修正値が発表されました。
6月は14.7万人増から1.4万人増へ、5月は12.5万人増から1.9万人増へと大幅下方修正。
過去3カ月の平均は3.5万人増で、コロナ禍後の最低水準。
これらの数字は、労働市場が急速に冷え込み、景気後退リスクが高まっている明確な警告です。
関税で米雇用失速か 就業者数が25万人超過大 ダウ急落、円は急騰
朝日新聞 2025.08.01
なぜ大幅修正されたのか?
雇用統計の初期発表は、企業からの速報データに基づくため、後で詳細な調査で修正されます。
今回の下方修正(5・6月で計26万人減)は、初期データが雇用の勢いを過大評価していたことを暴露。
例えば、6月の14.7万人増は当初「堅調」と見られましたが、修正後の1.4万人はほぼゼロ成長に近く、経済の弱さが鮮明に。
これにより、投資家は労働市場の実態が予想以上に脆弱であることに驚き、景気後退への警戒感が急上昇。
賃金停滞や再就職の困難さも目立ち、消費者や企業の支出縮小リスクが高まっています。
トランプの強硬策:労働統計局長解任の波紋
8月1日、トランプ大統領はSNSで労働統計局長の解任を表明。
雇用統計の低調さと大幅修正を「詐欺」「偽造」と批判し、自身の関税政策の悪影響を否定。
この異例の政治介入は、経済指標の信頼性を損ない、雇用データへの不信を煽り、投資家のリスクオフ心理を加速させました。
トランプ大統領 雇用統計の担当局長解任 専門家から批判相次ぐ
NHKニュース 2025.08.03
市場への影響と今後の展望:暴落リスクと投資家への試練
日銀の金利据え置き、FRBのタカ派姿勢、雇用統計の大幅修正、トランプ氏の政治介入、そして迫る債務上限問題。
これらは、グローバル経済が景気後退の瀬戸際に立っている警鐘です。
特に雇用統計の下方修正は、経済の基盤が予想以上に脆いことを露呈し、投資家の信頼を揺さぶりました。
結果として、S&P500とNASDAQも約2%下落し、ドル円はわずか1時間程度で3円下落する緊急事態に…
日経平均も先物価格で4万円を下回っています。
完全にリスクオフ心理が高まっており、明日8月3日(月)の市場は大暴落から始まる悪夢のブラックマンデーが再来する可能性が高いです。
しかし一方で、2024年8月や2025年4月の暴落を経験した最近の投資家は、危機感をすでに持っているため過度なパニックは抑えられるかもしれません。
暴落とは、人々がその恐怖を忘れたころにこそやってくるもの。
市場は今、警戒心と冷静さの間で揺れ動いています。
たとえ暴落したら、チェック銘柄を購入する絶好の機会です。
慌てず冷静に、市場退場リスクを抑えたポートフォリオで精進していきましょう。


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